LEAF Vol35 モノつくりはじめました

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モノつくりはじめました
LEAF Vol.35
from ヤングアダルトコーナー

鉄のしぶきがはねる

まはら 三桃 著 講談社 検索
工業高校機械科1年唯一の女子生徒・心(しん)は、かつて旋盤工場を営んでいた祖父に起こったある事件がきっかけで「職人の手仕事」への不信感を抱え、コンピュータによる機械制御を学ぶ道に進んでいた。
だが、ひょんなことから、「高校生ものづくりコンテスト」通称「ものづくり甲子園」に挑戦することになり、幼いころ馴染んだ機械油や鉄が焦げる匂いとかん高い切削音の中で、硬い鋼を、なめらかにしなやかに柔らかに加工する職人を目指す。

舟をつくる

関野 吉晴 監修・写真 前田 次郎 文 徳間書店 検索
はるか昔、人類がインドネシアから日本列島にきた道のりを、当時と同じ丸木舟を造って、 それでたどってみよう!
そう聞いて、誰が思うだろう。
まずは、丸木舟の材料である木を切る道具・斧やナタを作るために、砂鉄を集めるところから作業が始まるなんて。
機械を使わず、人の手によって一つずつ作られる道具や舟の様子を捉えた多くの写真を眺めているだけでも「つくる」ことへのワクワク感が満ちてくる。

世界でいちばん長い写真

誉田 哲也 著 検索
ごくごく普通の(どちらかと言えば冴えない)中学3年生の宏伸は、幼馴染の洋輔が転校して以来、しょんぼり気分の毎日を送っていた。
所属する写真部の部長・三好に、課題の写真を提出するようはっぱをかけられるが、特に撮りたいものもみつからない。
そんなある日、宏伸は、祖父のリサイクルショップで不思議なカメラと出会う。
それは、台座が360度回転し、周囲の景色をぐるりと1枚の長い写真に収めることができるカメラだった。
なにをするにも周囲に押され流されるままだった宏伸だったが、自ら夢中になってパノラマ写真の撮影に取り組み始めたのをきっかけに、いつのまにか全校挙げてのイベントを取り仕切ることになって…!?
実際に2度のギネス記録認定を受けた、手作りの360度回転カメラをモデルに、へなちょこ中学生の成長を描いた、これぞ青春!な物語。

下町ロケット

池井戸 潤 著 小学館 検索
研究者としてロケットエンジン開発の夢に破れた佃航平が、家業の町工場を継いで7年。
それなりに順調だった経営に暗雲が垂れ込め始める。
突然の大口取引停止・特許侵害を訴えるライバル企業・訴訟の話を聞いて離れていく取引先や銀行。
そんな倒産の危機を団結して乗り越えようとする佃製作所に飛び込んできたのは、政府から国産ロケット製造を任される大企業が持ちかけた、佃製作所の持つ、ロケットエンジン部品の特許を買い取りたいという話だった。
ところが、その話がきっかけで、夢のかけらを追う者と、生活の事をリアルに考える者とで、会社は真っ二つに!?
登場人物はおじさんばっかりだけど、若者の青春の熱さに負けない、「モノツクリ」に夢とプライドをかける男たちの熱き物語は、きっと最後に爽快感を感じさせてくれるよ!

道具にヒミツあり

小関 智弘 著 岩波書店 検索
普段何気なく使っている身の回りの道具には、職人達の様々工夫と高度な技術が詰まっている。
軽くなっていくメガネや薄く小さくなっていく携帯電話、丈夫になるファスナー、オリンピックで上位入賞の選手たちがこぞって使いたがる日本製の砲丸。
誰かを喜ばせるために、自分たちの技術を駆使する日本の職人とその尽きぬ探究心を、50年以上旋盤工として働いた、元職人がわかりやすく語る。
同著者の「ものづくりに生きる」も興味深い話が盛りだくさんだ。

木工少女

濱野 京子 著 講談社 検索
父親の仕事の都合で、小学校最後の1年を山奥の学校で過ごすことになった美楽(みらく)。
コンビニもないド田舎で、東京に戻ることばかり考えていた毎日が変化したのは、木工作家のデンさんと知り合ってから。
木工に心惹かれ、木の香に包まれる山中の工房で、木片に触れ、道具で加工するうちに、美楽の心の内やクラスメートとの距離が少しずつ変化していく。
 大きな事件は何もない。ただ、美楽の1年を丁寧に描いているだけだが、静かな感動をもたらす作品。

技術者という生き方

上山 明博 著 ぺりかん社 検索
小さな町工場を「世界のホンダ」へと成長させた本田宗一郎や、博士号を持たずにノーベル賞に輝いたサラリーマン・田中耕一など、世界に知られる6人の日本人技術者・発明家。
彼らが「つくる」道に進むきっかけとなった幼いころの好奇心や、志した夢とそこへ至る途中に立ちはだかった壁の乗り越え方などを、簡潔に書き記した伝記集。
彼らが見せた問題解決への姿勢は、仕事に限らず、日常生活の中で私たちが困難に出会ったとき、それを解決する糸口になるかもしれない。

いのちのヴァイオリン

中澤 宗幸 著 ポプラ社 検索
傷ついたり壊れてしまったヴァイオリンを修復するヴァイオリンドクターの著者。
ヨーロッパでヴァイオリン製作や修復の技術を学び、やがて独立した著者は、ヴァイオリン作りをする上で、その材料となる木、木を育む自然、そして何より自分自身と向き合う必要性を感じるようになる。
東日本大震災で壊れて流木となった家屋の一部だった木材から、著者が作り上げた「震災ヴァイオリン」は、 10年かけて千人の演奏家に弾き継がれる旅の途上にある。
心優しきドクターが語る、森といのちと音楽の物語に耳を傾けて欲しい。

リアル・ファッション

ソフィア・ベネット 著 西本 かおる 訳 小学館 検索
国連職員志望のエディ、ハリウッドデビューしたばかりのジェニー、そして服や小物をリメイクして、オリジナルな格好を楽しむ、ファッション大好きなノニー。
3人の14歳の少女が偶然出会った、ウガンダの内戦から逃れてイギリスにやって来た少女・クロウは、12歳にして天才的なファッションデザインのセンスと技術を持っていた。
それに気付いた3人は、才能あるクロウの服作りを応援し協力するが、やがて彼女の抱える問題を知り、クロウのファッションショーをきっかけに、その問題を少しでもなんとかしたい、と動き始める。
「最先端のファッションの街」ロンドンを舞台に、華やかなファッションで世界を変えようとする少女たちの挑戦が、繰り広げられる!