LEAF Vol.75 DEAR FRIEND

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LEAF Vol.75 DEAR FRIEND
LEAF Vol.75
fromヤングアダルトコーナー

親友・ズッ友・ダチ・悪友・幼なじみ・仲間…etc.
大事な「友」とは、もう出会えた?

いい人ランキング

吉野 万理子 著 あすなろ書房 検索
あなたは自分自身をどんな人だと思われたいですか?
勉強ができる人?クラスのムードメーカー?それとも誰にでも優しい「いい人」…?
夏休み明け、主人公の桃が通う中学校では、開催する予定だったミスコンを職員会議で禁止されたことから、一番性格のいい人を決める「いい人ランキング」が行われた。
二年一組で一位に選ばれた主人公の桃はその後もクラスメイトに「いい人」と思われるように立ち回っていたが、なぜかみんなに煙たがられるように。
同じくランキングの一位に選ばれた妹の鞠や、鞠と同じスイミングスクールに通う圭機に相談して何とか状況を打開しようとするが…?
不器用な人に贈る、ちょっとビターな青春小説。

きみの友だち

重松 清 著 新潮社 検索
「いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい」
「一生忘れたくないから、たくさん思い出、ほしい」
「だから……『みんな』に付き合ってる暇なんてない」
小5の梅雨、交通事故がきっかけで足が不自由になり、「みんな」から孤立してしまった恵美。
小さいころから入退院をくり返して、学校でひとりぼっちだった由香。
二人はまるで正反対の性格だけど、だんだんと一緒に過ごすようになって……。
クラスの人気者や、お調子者の八方美人、鼻つまみ者の先輩に、さえない幼馴染。
学校には色んなやつがいて、それぞれの「友だち」の物語が、少しずつ散りばめられている。
読み終わったあと、本当の友だちってどういうことか、ちょっとわかるかもしれない。

友だちってなんだろう?

齋藤 孝 著 誠文堂新光社 検索
「友だちとはなにか」とタイトルで問いかける一方で、作者は「友だちとは、一緒にいて楽しくて、笑顔になれる、元気になれる存在である」と定義することを提案している。
確かにそれが理想だけど、付き合いもあるし……と疑問や不満に思う人、一人でいるのが不安なあまり誰でもいいから一緒にいたい人、そんな人にこそこの本を読んでほしい。
この本の副題は「ひとりになる勇気、人とつながる力」一緒にいて楽しくない相手と無理して友だちを続けるのではなく、友だちではないと区別しながら、程よい距離で付き合う必要性を説いている。
友だちとの付き合いはもちろん大切だけれど、友だちじゃない人との付き合いも必要だし、ひとりを楽しむ力をつけて、人に頼りきらない人間になることも大事なことだ。

アルジャーノンに花束を

ダニエル・キイス 著 小尾 芙佐 訳 早川書房 検索
幼児ほどの知能しか持たない32歳のチャーリイ。
パン屋で一緒に働く人たちは、チャーリイを中心にいつも笑っている良い人たち。
チャーリイは、もっと頭が良くなって、周りの友だちと同じになりたいという夢を持っていた。
そんなチャーリイにある日、頭の良くなる手術を受けないかという申し出が大学の先生からあり、彼はそれに飛びついた。
チャーリイより先に同じ手術を受けて、迷路がすごく上手になった白ネズミのアルジャーノンと競争するうちに、チャーリイの知能は徐々に良くなり、やがては大学の先生達すら超える天才になったが、代わりにひどく孤独になってしまい……。
タイトルにもなっている本作の最後の一文が、チャーリイとアルジャーノンの間の、種族を超えた友情を見事に表している。

美術学生イトウの青春

イトウ ハジメ 著 イースト・プレス 検索
中学校で美術を教えながら、教育学系の大学院で美術教育の研究をしている著者が、大学院での日常を描いたエッセイ漫画。
友人のジェイは美術にトラウマを持つ数学オタクで、ストレス発散のために楽しそうに素数を数えるような、きっと大学院に進まなければイトウとは出会わなかったはずの男。
そんなジェイを含めて、様々な専門分野の友人・先輩・後輩ら研究者の卵たちが集まって、優しくも厳しく時に変人な教授たちのもとで、何かに夢中になりながら熱くなってワチャワチャしている姿は、まさに「青春」!!
「大学」と違って、あまり身近ではない「大学院」っていう場所とそこに集まる人たちをちょっとのぞいてみない?

友だち幻想

菅野 仁 著 筑摩書房 検索
本当に幸せになるための「何よりも大切な友だち」や「身近な人たちとの親しいつながり」のはずなのに私達は非常に心が休まらない状態をお互いに作りあってしまっている。
この本は「友だち」とのルール関係やフィーリング感覚の悩みについて様々なキーワード(メール・同調圧力・人と人との距離感覚等)を例にあげて問題を提議し、問題に対しての考え方を押し付けることなく、わかりやすく示している。
「仲良しか敵対か」ではなく「仲良しでも敵でもない」でよい、また「同調圧力」に弱い人でも人間関係の景色を変えられる、などの言葉に勇気づけられる。学校・家庭・職場・パパ友・ママ友すべての「人と人とのつながり」について見つめ直し生きやすくなる一冊だ。

親友

川端 康成 著 小学館 検索
めぐみとかすみは同じ中学のクラスメイト。
姉妹や親せきでもないのに顔が瓜二つでなんと誕生日まで同じ!席も隣合わせになり段々仲良くなっていく。
ある日、二人はかすみの親戚の家に遊びに行くことになる。
海へ出掛けたり絵を描いたりと最初は気ままに過ごしていた二人だったが、家の主である「森田のおじさま」に反抗的な態度を見せたり、常に浮かない顔をしているかすみにめぐみは戸惑ってしまい、段々とすれ違っていく。
先輩女生徒・容子へのほのかな憧れ、バザーで起きた小さな事件など些細な行き違いで、たびたび壊れそうになる二人の友情の行方は…?
日本を代表する文豪が描く少女たちの物語。

屋上のウインドノーツ

額賀 澪 著 文藝春秋 検索
『変えたいって、思ったんだろ?今』
ドラマーの父との再会をきっかけに唯一の友達と離れて、高校に進学した引っ込み思案の少女、給前志音。
入学からしばらくしてもまだ友達ができず、昼休みにひとり屋上で音楽を聴きながらエアドラムのリズムを取って過ごしていた。
その様子を見た吹奏楽部部長・日向寺大志から入部しないかと誘われる。
はじめは自分には無理だと断っていたが、大志と一緒に演奏したとき気持ちが高揚して『変われるかもしれない』と思い、差し出された大志の手を取り、吹奏楽部に入部することに。
目標は東日本大会出場!

星を見あげたふたりの夏

シンシア・ロード 著 吉井 知代子 訳 あかね書房 検索
アメリカ・メイン州のブルーベリー農園で働く少女・サルマと知り合ったリリー。
飼い犬ラッキーの目の手術のためにお金が必要なリリーは、積極的なサルマに触発されて、ブルーベリーフェスティバルでブースを出店することを決める。
一方サルマは、自分の将来のためにフェスティバルのクイーンを決めるコンテストに挑戦することに。
人種や貧困の問題、地元民と季節労働者の関係といった考えさせられる内容を含みながらも、友達や家族に対してリリーが感じているさみしさ、自分とはちがう立場や環境で生活する相手との交流、新しいことに挑戦する時の不安など、思春期の心の動きが丁寧に描写され、悩みつつ前を向く二人の少女の友情に、爽やかな読後感を味わえる物語。