LEAF Vol.76 千葉!CHIBA!チバ!

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LEAF Vol.76 千葉!CHIBA!チバ!
LEAF Vol.76
fromヤングアダルトコーナー

千葉県の誕生からちょうど150年!
みんなが暮らす千葉県の魅力を本の中にみつけてみよう!

トラペジウム

高山 一実 著 装画 たえ KADOKAWA 検索
美少女と出会うため東奔西走!?
主人公の東(あずま)ゆうはアイドルを目指す女子高校生。
東西南北の美少女を仲間にし、ともにデビューする事を夢見ている。
順調にメンバーを集める東だったがデビュー目前、東のアイドルに対する情熱が暴走し少女たちの絆に亀裂を入れてしまう事態に。
夢と友情……東が最後に下した答えとは。南房総市出身元アイドルである著者の初小説。

チバニアン誕生

岡田 誠 著 表紙イラスト かわさき しゅんいち ポプラ社 検索
皆さんは地球の歴史が地層から発見されることは知っているだろうか。
市原市にある崖には約77万年前に地球の磁場が逆転した痕跡が残されている。
もしこの磁場の逆転が現代で起こると、人工衛星が故障したり地上で停電が起ったりして、私たちの生活に影響を及ぼす。
では77万年前の地球ではどんな事が起きていたのか。
地層というタイムマシンに乗って遥か昔の地球の謎を紐解いていこう。

陽気なギャングが地球を回す

伊坂 幸太郎 著 祥伝社 検索
松戸市出身の伊坂幸太郎による「陽気なギャング」シリーズの第1作。
嘘を見抜ける成瀬、ウソもマコトも織り交ぜた演説を得意とする響野、天才スリの久遠、精密な体内時計を持つ雪子ら個性しかない4人の正体は、銀行強盗だ。
ある時、いつも通り綿密な計画の元にそれぞれの特技を生かして、銀行から大金を奪った4人。
だが、意気揚々と引き上げる途中で接触した現金輸送車襲撃犯に、今回の成果をまんまと奪われてしまう。
さらには、奪還に動き出した先で死体を見つけてしまい……。
犯罪者である銀行強盗だが、この作品では実にキュートにそしてスマートに描かれている。
軽快なストーリーと共に、見事な伏線回収も楽しんでほしい。

更級日記

濱野 京子 著 佐竹 美保 絵 岩崎書店 検索
千葉県市原市ゆかりの古典『更級日記』の内容と時代背景をやさしく解説している本。
『更級日記』は平安時代に書かれた回想録だが作者の菅原孝標女は平安時代のオタク女子として一部ネット界隈で有名なため、内容を知らずとも部分的に知っている人は多いかもしれない。この本の中でも『源氏物語』を筆頭にした物語へのあこがれを募らせるシーンや夢中で読み込むシーンが解説されている。
本書自体は、市原市に引っ越してきた小学6年生の少女が、図書館で出会った女性から『更級日記』についての話を聞かせてもらうというストーリー。
『更級日記』のエピソードごとに主役の少女が現代人視点の疑問や感想をはさんで女性に口頭で説明してもらう形式なので、はじめて古典を読む人にもおすすめだ。

旅歌ダイアリー

ナオト・インティライミ 著 幻冬舎 検索
2022年に野田市の応援ソング を提供、2023年の全国サマーツアーで野田市でも公演した野田市育ちのシンガーソングライター・ナオト・インティライミさんが2013年に発行した日記形式のバックパック旅行記。
エチオピア・コロンビア・カリブ海を旅しながら現地の人とサッカーをしたり、クラブで即興で歌ったり、マーケットへ行って買い物をしたり、ストリートLIVEを観たり。
村の人と同じように半裸で過ごして体調を崩すなどのトラブルにも見舞われたりしつつも、日本とは文化が違う国々での人々との交流の様子や滞在を通して気がついたことなどが、くだけた文章で率直につづられている。
写真も多く、眺めるだけでも楽しい本。アフリカ14か国を旅する第2巻も所蔵あり。

脳を育て、夢をかなえる

川島 隆太 著 くもん出版 検索
子供や大人もはまったゲームソフト「脳を鍛える」やドリル「大人の音読」シリーズをてがける著者は千葉市出身の医学博士であり加齢医学についての研究を続けている。
この本は脳の中の脳である「前頭前野(ぜんとうぜんや)」の驚くべき働きと鍛え方を脳のfMRIや光ポトグラフィーの画像(ブレインイメージング研究)を、つけながら説明している。
前頭前野は親子での会話・友達との遊び・単純な計算・音読など日常生活のなかで、しかも自分の力で鍛えることができる。
脳を育てることによって将来の夢の実現に一歩近づくという科学にもとづいた説得力の高い内容は長寿社会を生きる私たちにとって力と勇気を与えてくれ、希望にあふれている。

ニャンコ、戦争へ

菊地 秀行 著 平松 尚樹 絵 小学館 検索
人間たちが始めた戦争にあなたのペットが人間の代わりとして戦場に行かされるとしたら…
<僕>が3歳のときネコの<ニャンコ>が兵士として戦場に送り込まれ半年ほどして帰ってきた<ニャンコ>は右の眼がつぶれ、右の前足はプラスチックの義足になっていた。
命からがら帰ってきた<ニャンコ>は何もかも悟ったような冷たい目をしている。
多くのホラーやバイオレンス作品を残している銚子市出身の著者にとって「ニャンコ、戦争へ」は異色の童話作品である。
童話と言っても甘いハッピーエンドの物語ではなく、結末は衝撃的であり残酷な運命が次から次へと<ニャンコ>に襲いかかる。
それは現在の私たちが生きている世界を反映しているようで身につまされる。

星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚

小前 亮 著 小峰書店 検索
伊能忠敬は江戸時代に日本中を歩き、初めて実測して日本地図を作った人だ。
今の千葉県である下総国(しもうさのくに)で商売をしていた忠敬は江戸で天文学や測量を学び、今の北海道である蝦夷地(えぞち)へ測量の旅に出ることになった。
主人公の少年・上林平次が蝦夷で行方不明となった父を探すために、伊能忠敬の測量隊とともに旅をする。
忠敬の人となりや測量を学びながらたどり着いた蝦夷の地で果たして父に会えるのだろうか。
物語の合間に測量や地図、江戸時代の文化や伊能忠敬の人生など、図付きの解説ページがあり、より物語を楽しめる。

CHIBA 千葉チ~バ 叫びたいほど面白い千葉の話160

小和田 哲夫・山本 博文 監修 洋泉社 検索
「チバニアン(千葉時代)」や「なのはな体操」「ぬれ煎」に「鈴木貫太郎」「利根川東遷」……
住んでいても意外と知らない千葉の自慢やディープな歴史を2~4ページと短くまとめてあり、ちょっとした時間に気になるところだけでも読むことができる。
千葉は日本で一番“低い”県なのだが、いったい何が低いと思う?
気になったらこの本で答えを探してみよう。
友達との会話のネタにしてもよし。この本を読むともっと千葉を好きになれるはず!

現代語で読む野菊の墓

伊藤 左千夫 著 城島 明彦 現代語訳 理論社 検索
「しいられた結婚をして生きながらえている」
代々続く農家の息子・政夫が中学生のとき、病気がちな母親の看護のため、17歳の従姉・民子が同居していた。
年頃になっても仲のいい政夫と民子を見て、村の大人は嫌みを言い噂の的にする。特に年上の民子には風当たりが強かった。
ふたりの関係も幼馴染から好きな人に変化していくが、世間体を気にした母親に政夫は寄宿学校へ早く戻るように命じられる。
政夫との別れで傷心の民子は、別の男性との結婚を迫られるのだった……。
松戸市が舞台のこの小説に描かれた明治時代と違い、私たちは努力次第で未来を変えられる環境にある、ということを忘れてはならないのかもしれない。