LEAF
Vol.15

燃えるっスポーツ! ヤングアダルトとは
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*表紙画像は出版社の許諾を得て掲載しています。
もうすぐ開催されるオリンピックに先がけて、熱いスポーツの世界をたんのうしちゃおう!!

ダイブ 森 絵都 著/講談社(全4巻)

本の表紙 この夏映画化された、話題の作品。
高さ10メートルから、時速60キロで急降下。その演技時間、たった1.4秒。
それが、高飛び込み競技の全て。
中学生の知季(ともき)は、素直で努力家だけど、たいした成績も残せないまま、小学生の時からダイビングを続けていた。
だがある時流れ始めた、知季が通うダイビングクラブが閉鎖されるという噂。そんな中、アメリカからやってきたコーチ・麻木夏陽子(かよこ)から、突然「オリンピックを目指す」と言われる。
ライバルは、飛び込み選手だった両親を持ち、三年連続中学生チャンピオンに輝いた、サラブレッドの富士谷要一、そして夏陽子が津軽から連れてきた、日本海でしか飛んだことのない、野生のダイバー、沖津飛沫(しぶき)。
...続き
弱小ダイビングクラブの存続をかけて、わずか1年しかない時間の中で、3つの強烈な個性たちがオリンピック日本代表選手の座を目指すことになった!
個性豊かな3人の少年たちが交互に主役となって、彼らの過去やダイビングへの想い、そして彼らの間での葛藤や友情、あるいはその周囲(家族であったり友人であったり)との関係性が変化する中での、三者三様異なるダイビングの成長を見せる1巻から3巻を経て、いよいよ、オリンピック選手が選考される大会が行われる第4巻、と構成も見事。それまでの彼らを見てきているだけに、大会の模様は、手に汗握らずにはいられない緊張感をはらむ。
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バッテリー あさの あつこ著/教育画劇(文庫は角川書店)(全6巻)

本の表紙  こちらも、映画・TVドラマ・漫画と、形を変えて様々な媒体で知られ、いまさら紹介する必要もないかもしれないが。スポーツ特集となれば、やはり外せない作品の1つ。
 ピッチャーとして天才的な才能を持つ原田巧。彼は、中学校入学直前、家庭の事情で引っ越してきた、祖父の暮らす岡山の地方都市で、やがて彼とバッテリーを組む、キャッチャー・永倉豪と出会う。
「ピッチャー」としてボールを投げる事、ただそれだけにこだわる巧は、中学野球部に入部しても、どこまでも「己」を貫き通し、周囲とのあつれきは耐えない。特に、大人たちが巧にはめたがる「中学生」という枠に、巧は強烈な反発を返す。彼は、「中学生」である前に、どこまでも「ピッチャー」である自分にこだわるのだ。そんな彼の態度は敵も作るが、一方で彼の持つ力に魅了され変わっていく者も多く、やがて巧の「ただ野球がやりたいだけ」という熱い想いが周囲を巻き込み動かしていく。
...続き
 巧のアレは、「野球がしたい」ではなく、どちらかといえば「野球しかしたくない」に近い気もするが、その想いは少なくとも真っ直ぐで、嘘もごまかしもない。そして、巧だけではなく、キャッチャーの豪も友人・先輩そしてライバルたちも、皆それぞれに熱い想いを抱え、それが互いにぶつかり合い影響しあって、何かが生み出されていく。
「バッテリー」は、そんな、世間一般のスポ根とはちょっと違う、ある意味、野球を小道具に、人の内面に迫る作品だ。

一瞬の風になれ 佐藤 多佳子 著/講談社(全3巻)

本の表紙 サッカー選手として天才的な能力を有する兄を含め、両親もサッカーファンというサッカー一家に育った神谷新二。とうぜん、新二も小さいころからサッカーを続けてきたが、どうあがいても、大好きな兄に追いつけないことは、自分でもわかり、サッカーや兄へのコンプレックスにも似た複雑な思いから、高校進学を機に、サッカーを止めてしまう。
だが、進学後、偶然同じ春野台高校に入った幼なじみ・一ノ瀬連(陸上で全国区のスプリンターだったが、新二いわく「辛抱のきかない男」で「我慢という字が辞書にない男」で、中学時代に、陸上を止めてしまっていた)の全国に通用する走りを目の当たりにし、熱い想いに駆られて一緒に陸上部へ入部することに。
新二には、兄や連のような天賦の才はない。ただ、新二は「努力する天才」だった。地味な練習を粘り強くこつこつ続ける根気も、ハードな訓練を人一倍こなす体力もあった彼は、風変わりなのんびり屋の顧問・三輪先生(通称みっちゃん)の指導のもと、徐々にその本領を発揮しだす。そして、特に強豪でもない春高陸上部は、新二と連を400Mリレー(通称4継)の選手に加え、インターハイを目指し始める。
...続き
ほとんどが個人技の陸上競技の中、数少ないチームプレーのリレー。選手の入れ替え、走者の順番の変更、バトンパスの成否、風向きですら試合に影響する。
ただひたすらに走っているだけに見える競技のその中に、多くのドラマが詰まっているのだ。
昨年「本屋大賞」を受賞し、話題になった作品。すでに読んだ人も多いかもしれない。未読の方は、ぜひこの機会に。
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龍時 野沢 尚 著/文芸春秋(全3巻)

本の表紙  スペインU-17とのサッカー親善試合で、世界の壁を感じた高校生・志野リュウジ。日本のサッカーに閉塞感を感じていた彼は、単身スペインに渡ることを決意する。
 言葉も通じない異国で、チームメイトからもなかなか受け入れられず、孤独な戦いの中で、リュウジは、やがて自分が何をすべきか、という答えを見つける。
 なによりも、試合描写の臨場感が凄い。選手となってピッチを駆け回っている錯角に、あなたも、おちいってみない?
 無名の高校生の、スペイン挑戦を描いた第1巻から、アテネ五輪へ挑む第3巻まで、一気にのめりこもう!
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熱風 福田 隆浩 著/講談社

本の表紙  聾学校に通う孝司は、親とすらコミュニケーションを取るのが難しく、伝わらぬ想いに全てが歯がゆく、時に爆発を起こす。
 そんな彼が、唯一全てを忘れて打ち込めるのが、テニスだった。コートで黄色いボールを追っているときだけが、何もかもから、解放される。
 そんな時、出会った同じ年の中山順一。いつも帽子を目深に被り、生意気で、そしてテニスの腕はある中山に、孝司は反発を、時には、憎しみすら覚える。だが、そんな中山とダブルスを組むことになってしまい…。
 どこまでも不器用で、ぶつかり合う事からしか始まれない少年たちの姿が、胸にせまる。
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